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錫の特徴と歴史を解説いたします
錫の特徴
ギフトやプレゼントに喜ばれる最高級錫器 京都の作家が創る錫器の専門店【錫右衛門】が、錫の特徴について解説させていただきます。
錫は、古代から今日まで、世界中の人を魅了し続けています。
希少な鉱物資源というだけでなく、錫がもつやわらかな輝きが人々の心を捉えて離さないのでしょう。
一方で、錫器はお酒や水を浄化したり、食材の色を際立たせて食欲を刺激してくれます。
銀のように黒ずんだり、錆びたりしない安定した素材であることも人々に愛されている理由です。
錫はその希少性から、決して手頃な値段で入手できるものではありません。
でも、錫器がそばにある生活というのは、心に豊かさと潤いを与えてくれます。
一日の始まりを、錫器に注いだミネラルウォーターから始める。
あるいは、一日の終りをビールや日本酒を注いだ錫器でゆったりと締めくくる……。
錫器がもたらす、ささやかだけれど、心と体が喜ぶ贅沢です。
こちらのページで、錫のことをもっと知ってくださり、今まで以上に錫あるいは錫器に親しんでいただければ幸いです。
目次
錫とは、どんな素材なのでしょうか?
たとえば、ぐい呑みやお猪口などの一般的な器をみてみると、陶磁器・漆・ガラスなど、さまざまな素材でつくられています。
それらの素材と比較して、錫という素材にはどんな特徴があるのでしょうか?
特徴1割れません
陶器やガラスは割れてしまうことがありますが、錫は金属なので割れるということがありません。
特徴2人体への影響がありません
金属というと、人体への影響を心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、錫の安全性はどうなのでしょうか?
「錫の歴史」というページを見ていただければわかるかと思いますが、
錫は数千年前から世界中で生活の器として用いられてきた素材ですので、
安全性は保障されています。
特徴3錆びません
錫は金属のなかでも非常に特殊な素材で、空気中でも水中でも錆(さ)びません。
そのため、有害物が溶け出るようなことがなく人体に悪影響を与える心配がないのです。
特徴4錫の器に入れた水は腐りにくい
錫の器に入れた水は腐りにくいという特性があります。
錫器のなかに水を入れた切り花は、他の素材でできた花器に入れたと比べ、非常に長持ちするのです。
特徴5金属のなかでは比較的やわらかい
錫は割れない、と先述しましたが、錫は金属のなかでは比較的やわらかい部類に特性があります。
落としたり、角のあるものにぶつけるなど強い圧力や衝撃を与えると、変形する場合があります。
ですが、逆にいえば、変形したとしても、また元どおりに直せるので、メリットでもあるのです。
特徴6錫は融点が低い
錫右衛門で取り扱っている食器や酒器は、手に馴染みやすく使いやすくするために、比較的、薄めにつくっておりますので、特にていねいな取り扱いをお願いいたします。
日常生活でご使用いただくのに、なんら支障はございません。
他の素材でつくられた器と同じようにていねいに扱っていただければ、末永くお使いいただけます。
特徴7熱伝導率に秀でている
錫は融点(金属が解ける温度)が232度と低いため、ほかの金属と比べると加工しやすい特性があります。
しかし、融点が低いため、直接火にかけたり、電子レンジで使用することはできません。溶けてしまう場合があります。くれぐれもご注意ください。また、極端に熱い料理を盛りつけるのも、おやめください。
特徴8長く使うと表面に落ち着きが出る
錫は融点が低いと書きましたが、逆にいえば、熱伝導率にたいへん秀でているともいえます。
つまり「冷たいものは冷たく、温かいもは温かく」ということです。お酒を燗にすればすぐに温かくなりますし、冷たいビール は、より冷えた状態で楽しめます。
錫器にお刺身を盛り付ければ、鮮度を保ってくれるだけでなく、見た目も涼やかで美しく演出してくれます。
錫は、永くご愛用いいただいていると、表面がグレイッシュになったり、光沢がやわらかくなり、落ち着きが出る場合がございます。
これも、また味のある錫の表情ですのでそれが良いという方もいらっしゃいますが、気になる場合はやわらかい布などで表面を磨いていただければ、もとのような光沢がもどってきます。
詳しいお手入れの方法につきましては「お手入れの方法」ページをご覧ください。
錫の歴史
現在確認されている世界最古の錫器は、なんと今から3500年前の(紀元前1500年頃)のものと言われています。
※エジプトで出土「巡礼者の壺」
その後、錫器は世界中で人間の生活に取り入れられてきました。
※レオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」にも錫の食器が描かれています。
日本には、今から1300年前に遣唐使によって伝わったと言われています。
※奈良の正倉院に宝物として数点の錫器が収蔵されています。
また、古くからある医学(本草学)に関する文献を集大成した「本草綱目」には《井戸の底に錫板を沈めて水を浄化した》とあります。
江戸時代の文献『貞丈雑記』には『今徳利と云う物を、古(いにしえ)は錫といひけるなり。むかしはやき物の徳利なし。皆錫にて作りたる故に「すず」と云ひしなり』と記載されています。 昔は、徳利といえば錫(スズ)だったんですね。
その名残から、宮中では今でもお酒のことを「おすず」と呼んでいるそうです。
錫右衛門でお気に入りの逸品を探してみてください
長くなってしまいましたが、以上が錫の素材としての特徴になります。
人は誰しも、便利さや性質の優劣だけで好き嫌いを決めるわけではありません。
特に、自分が普段使うものなどは、デザイン性やモノがもつ存在感(品格)によって好き嫌いが出てくるものです。
率直に申し上げますと、デザイン性やモノがもつ存在感という点では、錫を素材とする器に対して、それほど高い評価を得られておりませんでした。
それは、すぐれた素材であるがゆえ、神様に捧げる進物として取り扱われてきた経緯など、さまざまな理由があるかと思いますが、その結果、陶磁器やガラスの器に比べ、錫を素材にした器が人々に広く浸透しなかったのだと私は考えております。
では、錫の器のデザイン性や作品のもつ存在感が、他の素材または多くの工芸作家の手による工芸品と比べて劣っているのでしょうか?
たしかに、錫の表面に陶磁器やガラスのような色彩豊かな絵や模様を描くことはできません。しかし、錫を繊細に磨きあげることによって出る表面のきめ細かなツヤと光沢は、漆のもつ味わいと比べて遜色はありません。
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金属であるため一般的に冷たく硬い印象を与えてしまいがちですが、丸みを帯びた形に仕上げることによって生まれるフィット感や、持ちやすさ、使いやすさは、手び練りの陶器と比べ劣るものではありません。
金属ならではの制約はありますが、逆にそれを生かした作品は作家の力量です。
錫の特性を十分に生かしたデザイン性のある器をつくる作家は、日本でもまだ多くはありませんが、ほとんど飽和状態にあるほかの素材に比べて錫は希少性が高くこれから見直される分野であると確信しています。
錫の器の専門店である「錫右衛門」で扱っている作品はどれも錫の素材を生かしたシンプルな形でありながらも、どこか温かみのある作品ばかりです。
ぜひ「錫右衛門」で、お客様お気に入りの逸品を探してみてください。
「錫右衛門」へお越しくださったことが、お客様にとって素晴らしい出逢いの機会となれば、これほど嬉しいことはございません。
お客様だけの逸品が見つかりますことを、心より祈念しております。
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お急ぎの方は日数に余裕を持ってお早めにお申し込み下さい。
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